2008-02-12 残像 もしも シャッターのスピードを とても とても 遅くしたカメラが ずっと ここに座っていたのなら あの 小さな女の子は 私 音が 好きで 好きで 童謡のカセットテープで踊り出して 庭では 落ち葉と一緒にダンス ピアノから 一日たりとも離れなかった あの子は 私 動いている 軌跡が見えて 残像が 私をすりぬけてゆく まるで 今 ここにいる 私が 透明であるかのように 小さな残像が いつまでも踊り続ける 私は心までも透明にされて ぴくりとも動けない