2009-01-01から1ヶ月間の記事一覧

飛行場の夜

飛行場の空は青白い顔で眠っている 煌々とあかりは灯り続けるのだ 彼らを照らして 彼らを包んで そうして目覚めたとき 彼らは、どんな色を見て、どんな歌を覚えて、帰ってくるのだろう。 煌々と待っていてください 煌々と湿った空を照らして

わずらい

患った私 私の患い それはひどく個人的なもので病名や処方箋やそういうもので私はタグ付けされ分別されてゆく、流れる金属の冷たい床に横たわって私は脳波を測定するためのカラフルな線を付けながら移動するぐるぐる回る診断され処方され日々を暮らしこれが…

ひとりでいること

ひとりでいることが すきだ 干渉されることは 苦手だ すきなひとといても 結局ひとりひとり 小学校の生活ノートに「あなたは『独り』ということを気にしすぎています。」と書かれたが、あれから14年、何か変わったか。ひとりでいることが いちばん普通で い…

不安

土が、 かたまらない。 ぐにょぐにょとした土は 己の存在を訴えたいというしずかな闘志をもやして ごうごうと輝く炎に入ってゆくのだ 土よ 土だったものよ ぽろりと手を離したとき 悲鳴をあげて 土は ただの破片になりました。 それでも 土は土である。 己の…

ゆうがた

灯油の揮発する玄関のにおい 綿埃がきらきらと宙を舞う 日常だったもののすべてが しずかに蒸発して失われ私は 西日と虚無感とひんやりした空気に包まれている