故郷に涙

歩く不健康!って感じの自分なので、それなりに口内炎とかには気をつけてるんですが、昨日久しぶりに風邪をひいてることに気づきました…。風邪という概念がスッポリ頭から抜けてた。一晩よく寝たら元気に!朝、起きたら東京の友人から小包が!なんと岩手の小…

夏の思い出

学校でスイカ食ってるやつがいる!!!!!

最近嬉しいこと

帰国してから、自分が人の役に立っていることが初めて実感できてとても嬉しい。 今日は同居人のお母さんと電話でお話しして、ものすごく感謝された。私と住んでいるので安心していられる、と言われた。泣きそうになった。 恋人の役にも立っているみたい、少…

厚い雲を切り開く 黒い尖塔の かたち に逃げられないように そっとファインダーを向けたとき ねずみ色が少しだけ光ったので 笑っているように見えた。

光景

腐りかけたりんごがしゅわしゅわ鳴きながら溶けていく。氷の上に映る姿を見ていた。赤いフリルのスカートや丁寧に編まれた靴下のぬくもり。地下に現れた教会からは光が見えなかったのにどうして人は世界を信じることができたのだろう。凍りついた石段を注意…

鮮やかさ

色とりどりのお菓子や果物 市場を彩る肉の赤さ 血の塊や死のにおい 吐き出された流動体の醜さ 女であるということや 生き物であるということを 一枚の布地をめくるように意識する夜に 漆黒の美しい恐怖が訪れて ぼんやりと明るい曇り空の下 雪を踏んでそっと…

かなしみ

もしも うたいつくしたら 磁石のように すうっと 離れてゆくでしょうか 遠ざかってゆく 斜面 いただき 雪の青白さ 鮮血の色を私は ずうっと 忘れているし いつになったら すべては戻るのだろう 崩れ落ちたレンガ 赤い壁 足跡 それから ふわんと 宙に浮いて …

黒い靴

黒い靴と黒い服と 私は常に死の影や 別れの記憶とくらしてきたのだった それが 男といる限りは 生への醜いまでの執着が 蔓を伸ばすように日々育っていた 私たちは世代を受け継ぐように生きて 半透明の死んだ自らの肉体と 鏡ごしに寄り添い 石段をことことり…

雪の夜

ホレおばさんが羽根ぶとんを叩いたよ 天から塵が舞い踊って くらやみ 夜の街灯 見上げると世界がきらきらしている この美しい瞬間を 冷たい空気と白い息まで切り取って あなたに見せられたらいいのに 灰色のフードを目深にかぶって歩く シャッタースピードは…

なんにもなくてもいいな ただ芝生にあなたと寝転んで たんぽぽの綿毛を飛ばして 雑草を踏んで歩く、音 鉄橋を快速が通っていって その町には くらしと、しごとと、あそびと、 いろんなことがぐちゃぐちゃに混ざっていて クリームに凍ったいちごも入れましょ…

トリップ

石畳の上でステップを踏む シャッターを押す フラッシュ! オレンジ色の壁に落書き トリップ トリップ トリップ 螺旋階段を降りたら 血みたいに赤い蜜蝋で封をして きっちり封をして もはや考えるべきことなど何もなくて 押し寄せる現実的な波の上で ぱちゃ…

飛行場の夜

飛行場の空は青白い顔で眠っている 煌々とあかりは灯り続けるのだ 彼らを照らして 彼らを包んで そうして目覚めたとき 彼らは、どんな色を見て、どんな歌を覚えて、帰ってくるのだろう。 煌々と待っていてください 煌々と湿った空を照らして

わずらい

患った私 私の患い それはひどく個人的なもので病名や処方箋やそういうもので私はタグ付けされ分別されてゆく、流れる金属の冷たい床に横たわって私は脳波を測定するためのカラフルな線を付けながら移動するぐるぐる回る診断され処方され日々を暮らしこれが…

ひとりでいること

ひとりでいることが すきだ 干渉されることは 苦手だ すきなひとといても 結局ひとりひとり 小学校の生活ノートに「あなたは『独り』ということを気にしすぎています。」と書かれたが、あれから14年、何か変わったか。ひとりでいることが いちばん普通で い…

不安

土が、 かたまらない。 ぐにょぐにょとした土は 己の存在を訴えたいというしずかな闘志をもやして ごうごうと輝く炎に入ってゆくのだ 土よ 土だったものよ ぽろりと手を離したとき 悲鳴をあげて 土は ただの破片になりました。 それでも 土は土である。 己の…

ゆうがた

灯油の揮発する玄関のにおい 綿埃がきらきらと宙を舞う 日常だったもののすべてが しずかに蒸発して失われ私は 西日と虚無感とひんやりした空気に包まれている

旅立ちの前に

「遠くまで旅する人たちにあふれる幸せを祈るよ」 歌声を耳元でボリュームを上げて病院へ向かった。 祖父を送るときは、動かせなくなった指を一本一本、指先と爪をやさしく押してもみほぐした。気持ちいいと伝えてくれたのを覚えている。 祖母を暮らしたとき…

しろいそらに

今頃男はふかふかした暖かな寝巻きを着て、スプリングのよくきいたベッドに横たわって、大きな足を暖めながら眠りについているのだろう。 男の部屋のベランダからは朝の白い空がよく見える。雀の鳴き声。射し込む光。いつもと変わらない朝だ。 男の横顔は光…

地層のように眠れ

かつて父の母は、息子が遠くから連れてきた若い女に、前夜から煮込んだ料理を並べて、もっと食べろ!たくさん食べろ!、などとすすめたのだろうか。お正月にだけ食べられる祖母のりんご入りのきんとんは、幼い頃の特別なごちそうだった。 母は、同じようにし…

もぐろう。

使い古された また来る朝 を待って あたたかな布団にもぐろう。 ここには きみを痛めつける人はいないし 何より、きみが楽な思いをすることが だいじなのだから。 さあ、 もぐろう。 夢の海底まで ゆっくりと もぐろう。

まどろむ

朝 目覚めて 窓の光を浴びて背伸びをひとつして 怠惰なからだから怠惰なことばを紡ぎだして まどろむ時間が好き。 夜 眠る前に 睡眠薬で深く潜る毎晩の小さな恐怖を取り除いてくれる 電話口のあたたかい声に耳をすませて まどろむのも好き。

自由

幾重にも幾重にも かさなりからみあい 身動きもとれないぐらい 自由を奪われる 足枷 鎖 私たちの欲しがっていた愛は、そのようなものではなかった。 やさしさがやさしさの隙間に うまくすうっと入っていくような 白い空に昇華するような どこまでも飛んでい…

メルヘン

ヘンゼルとグレーテルが 深い黒い森の中をさまよったように わたしたちも歩いている おなかがすいたら野いちごを拾おう 眠くなったら眠りの精が助けてくれる 明るく歌いながら はぐれないように こわくなんかないんだ 前が見えなくたってね 踊るように軽いス…

道すじ

こころが からだが よわよわしい わたしたちは どうやって生きていけばいいのでしょう あなたの手は既に示している 確かな道すじを知っている ああ、どうか サーチライトを点けてください! たしかなことは ひとりよりも ふたりのほうが おだやかになれる や…

お人形さん

携帯電話の中の 目がくりくりとしたかわいらしいお人形さん の、手入れをし に、似合う服を仕入れて 終わりのない作業だ 満足するまで …私が? お人形さん、 あなたは私の影だった 今は あなたが私を貪ってゆく

しあわせなあさ

このまま眠れなくても 光が射し込んできたら 私はあなたにしずかに声をかけて 目をこすりながらコーヒーを淹れよう すきなたべものものみものもにているのだからふあんなどなくてそこにあるのはしあわせなあさ あたたかいマグカップを渡したら シリアルにヨ…

料理

しなびかけたキャベツをちぎり 手際良く洗って水を切る 触感と音をおもう じゅうじゅう炒めるときの激しさ 弱火でじっくり煮込むしたたかさ 日々のくらしの 必要なしごとと 音をつくるしごとを うまく繋げていこう 新鮮なトマトを がぶりとかじったときの 鮮…

沈む

眠りを待つ時間 青白く発光する記憶と 遠いサイレンの音 沈む さらさら流れる砂の中へ 沈む エメラルドに光る珊瑚礁の下へ どこまでも どこまでも 深呼吸をひとつ。

軋む

心が軋むように痛い つらい 憎むべき人が笑っている ゆっくりと確実に元気になって少しずつ仕事をしていくこと。 幸せは比較するものではない

遠い記憶による蹂躙

お皿を洗うときの水流の太さや お米をとぐときのこぼさない気迫 ジャムの瓶が開けられなければ包丁で叩く そんなことを ふと台所仕事をしながら 思い出すのです。 私たちは 虐げられて生きてきたうえに これからは 記憶に蹂躙されて生きていくのか いや 記憶…