2009-02-03 黒い靴 黒い靴と黒い服と 私は常に死の影や 別れの記憶とくらしてきたのだった それが 男といる限りは 生への醜いまでの執着が 蔓を伸ばすように日々育っていた 私たちは世代を受け継ぐように生きて 半透明の死んだ自らの肉体と 鏡ごしに寄り添い 石段をことことり降りていくように 毎日を すごす 日々少しずつ死んでいく 死の中にすべてがくるまれている けれども 男とくらせるならば そこには小さな希望が灯っている