2008-05-01から1ヶ月間の記事一覧

まぼろし

記憶は幻なのです。すべてがまぼろしなのですよおまえのあたまのなかでさいげんされるげんかくでしかありませんちもきずもひめいもいたみもすべてまぼろしでしかありませんですからおまえはすべてがもやもやとしたきりのようにうすいうすいうすめられたまぼ…

怖いニュースのこと

怖いニュースのことはお願いですから私に見せないでください携帯電話に自動的に飛んでくるニュースも何もかも怖いのです怖いのです怖いのです血は嫌いですし死ぬことも怖いのです怖くなければあなたを信じようとつとめることもないでしょうお願いですから怖…

くらいへやで

ひとりのひとに 依存 することが とても おそろしい依存 は 闇 だ。かんぜんに よりかかれてしまえれば それで、何もこわいことはないはずなのに、 かんぜんに よりかかることは できない。 うしなってしまったひとのことをくらいへやでかんがえるきっとむこ…

かおり

日常のすきまに ふと しみこんだ ささやかな かおりよ わたしのからだが おまえで満たされるとき こころから からだまでが よろこんで歌いだすんだ あまい あまい かおりよ すきとおるように しみこんでゆけ からだの ほんとうの芯まで こころの 蝋がぞんぶ…

ささやかな飛翔

いざ はばたいてみれば それはそんなに つまり予想していたほどには よろけることはなかった。 不安や恐れよりも 空の青さが 光の眩しさが からだぜんたいを よろこばせた。 その歓喜 そのかがやき ひかりよ よろめき ふらつき ときには低空飛行 これからも…

しずかなたたかい

古びた農家の一番奥の奥にある 湿った畳の部屋の布団で寝ていた 雨戸はいつも閉じられていて あるだけの力を出してドアを開けると 廊下からの光が一気に射しこんで 埃がきらきら舞いながらどこかへ飛んでいった 音が怖かった 雑音が嫌いだった じっとしてし…

日常の区切り

絶え間なく続いてきた日常が ゆるやかに変化しつつも流れてきた日常が 断絶 されることについての不安 再び戻れる町 思い出と愛着のある町 すてきな部屋 それでも 断絶 されるような感覚についての不安 いつでも 帰ってくれば良いのだ そんなに遠い距離では…

はばたきについての不安

無気力だ 自然に胎児の姿勢をとっている この 一年間の休暇により私は ふたたび飛べるようになった らしい らしい というのは らしい のであって 私はまだ巣の中で眠っている 親鳥に守られてじっと眠っている はばたきの練習はしていない 昔は、はばたけた。…

川底から

私は、ひらかぬ貝になってひっそりと息をしずめていた。 時おりぷくぷくと、自らのあぶくが排出されていくのを、 見るのも、感じるのも、耐えられはしなかった。 ひらかぬ貝。 何も見えぬ生き物。 いや、既に生き物であることを放棄した、物。 水に流されて…

いこう

うるおいをもった だいちで あさつゆにぬれた ざっそうと たんぽぽのわたげ ふわりふわりとぶ ねころがって ただ そらを ながめる めをとじて ながめる かぜのおと みずのおと からだのおと ほほをつたい ながれるなみだの かんしょく やさしく すべてのとが…