2008-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ひかり、よろこび

あなたがいないとぼくはまるでだめになってしまいます。 目に見えるものたちが 鮮やかな色をまとい その生命力を誇示せんとばかりに 光さえも…! あなたがいないとぼくはまるでだめになってしまいます。 生きている歓喜 ふれあえるやすらぎ 変わらぬ愛、とい…

あさのそら

あおじろい そらのすきまに まいぼつ してしまうきょうふ めいめつ ひかり つかみとる わたし かいめつ きぼう うしなわずともよい あなたがいる

人間の距離

ふと 気づくと 心の距離が離れている 私たちは人間どうしだから 繋がっている糸は細くて脆いのだ 永遠に変わらぬ愛などあるのか それはやはり あなたに頼るしかないのだ すべてをお委せするしかないのだ あいします あいしてください どうか

さまよい

前を見て歩いているのだ ゆっくり歩けているのだ と、 思っていたのに どうしてなのか さまよい歩いていました。 森の中は暗くて光の一筋も見えずどうどうめぐりを繰り返す。木々のざわめき、鳥たちの歌声、獣のひそやかなたくらみ。 生と死のあいだを 未だ …

あぶく

川底から立ちのぼるあぶく 太陽を銀色に反射する魚たちの呼吸 削られてゆく小石 しずかな水の音 あぶく この幸せな時間たちが もしも あぶくのように 消えてゆくものなのだとしたら 私はそれからどうやって 生きていけばよいのでしょう

夢の最後

夢の最後の雲行きが 少し暗かったような気がした 私は今誰の隣で眠っているのだろう と、いう不安。 目を覚ますと、 とってもやさしい人が そばで眠っていた。

苦味

口の中に苦味が広がって、ようやく薬が効いてくる。白い朝、ひかりに縛られていたい朝、安心して手足を投げ出そう。始発が走っている。私は生きている。たくさんの味方がいる。大丈夫。大丈夫。大丈夫。

水の音

モニタ越しに男の声をたっぷりと陽に当たるように聴いて、男の笑顔からつよい、ちからづよい支えを造りながら、私は眠りにつこうとする。 テレビは仮想の水槽になって、色鮮やかな魚たちがゆっくりとおのおのの好きなほうを向いてたゆたっている。魚たちの呼…

不眠症のくすり

ひとりのにんげんが 隣ですやすやと寝息をたてている そのささやかで あまりに日常的かもしれない おだやかさ しっかりと目をつむろう 記憶の糸をたぐりよせて 遠い部屋を思って 「神様はよい計画をお持ちです。」

ねがい

しずかな おだやかな こころがほしい あわただしさは もういらない ただ 平凡にくらしたい くらしのなかの ささいなものごとをつかみたい けれども、 舞台の上の眩しいライト。 ひらひらのドレスを着た私。 客席の後ろまで響かせる。 その 麻薬のような快感…

ずっと、音楽ばかり考えて猛スピードで日々を送っていたので、病によって音を聞くことすらできなくなったとき、私は生きる意味を失いました。楽器にさわれないということは、私にとって即ち死を意味しました。 生きていた。 生き延びていた。 私は、誰も殺さ…

ゆっくりと

考えてみれば私は、できるはずもない幻のような自立という言葉に怯え病んでしまったのだった。 ゆっくりと大人になろう。ゆっくりと。

音楽家

「音楽をやめることはできない。君は死ぬまで音楽家だ。」 明け方 そんな言葉が頭をめぐり しろいひかりに目をこらす ずっと私は音楽家でいよう。 死ぬまで音楽家でいつづけよう。 三流だとしても、それ未満だとしても。 ゆっくりと自立してゆこう。 音楽家…

男の声は いつもやさしく穏やかで 携帯電話から耳たぶを撫でるように 私の小さな鼓膜を振動させる すずめが カラスが 鳴き始める時間に 踏切がしきりに叫びだし 始発が走り出す時間に 不眠症の私は なめらかでたまにかすれる 男の声を聴く きっと心地よい眠…

日々のくらしに

男と出会ったことで 日々のくらしに、ちょうど ちゃぽん、と小石が投げ込まれたような 変化が訪れた。 「その日にできることをやろう。」 外に出られずに家の中にいても 洗濯や料理や掃除や かんたんなことで しあわせに感じられる 男のおまじないだ。 今、…