口の中に苦味が広がって、ようやく薬が効いてくる。白い朝、ひかりに縛られていたい朝、安心して手足を投げ出そう。始発が走っている。私は生きている。たくさんの味方がいる。大丈夫。大丈夫。大丈夫。
モニタ越しに男の声をたっぷりと陽に当たるように聴いて、男の笑顔からつよい、ちからづよい支えを造りながら、私は眠りにつこうとする。 テレビは仮想の水槽になって、色鮮やかな魚たちがゆっくりとおのおのの好きなほうを向いてたゆたっている。魚たちの呼…
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