水の音

モニタ越しに男の声をたっぷりと陽に当たるように聴いて、男の笑顔からつよい、ちからづよい支えを造りながら、私は眠りにつこうとする。


テレビは仮想の水槽になって、色鮮やかな魚たちがゆっくりとおのおのの好きなほうを向いてたゆたっている。魚たちの呼吸。川底からのあぶく。


水の音に包まれて、私は眠ろうとする。枕はペパーミントの香りがする。深呼吸をひとつ、する。