2008-03-01から1ヶ月間の記事一覧

答えの出ない問い

どうしたら、救われますか どうしたら、私は眠れますか 深く掘られた穴の中に向かって 思いきり叫ぶ 王様の耳はロバの耳の 空虚 答えの出ない問いは 暗闇に吸い込まれてゆきます 出口は、ありません。 おそらく。

mustとneed

「何かをしなきゃ」っていう言い方を長いあいだ極力避けていて「する必要がある」に言い換えていたのだけれどそれ自体が強迫観念になっていてmustを使わないことがmustにいつのまにかなってしまっていたのでこれからは適度にどちらも使おうと思った。

trip

蔦で編んだ籠の、小さなトランクに 好きな文庫本を詰め込んで ギンガムチェックのワンピースで 各駅停車にごとごと揺られて行きたい 何も持たない旅 スナフキンの哲学 彼だってハーモニカは手放したことがない 帽子を被りたいな 春らしく花のコサージュが付…

宴のあと

私は なぜ、踊ったのだろう 官能に惑わされて? 恋い焦がれ過ぎて? 私は なぜ、こんなものが欲しい などと乞い願ったのか 私は 狂ってしまった 既に、はるか遠くまで 狂ってしまった 高笑いをするしかないわ 狂ってしまったことを 誰にも喋らずに 今まで通…

地下室

螺旋階段をずうっと降りた 地下室に閉じ込められている あの方は、だあれ? お父様。 痩せこけた頬 伸びきった髪の毛と髭 躯は汚れて獣の臭いがする 足に掛けた鎖は、 外しては、あげられないのね? お父様。 あの方は、だあれ? お父様。 長い蝋燭を一本手…

ひらく

夜の闇が ぽっかりと ひらく そこだけが空虚であり虚無でありしかも真空であるかのような 強く 渦を巻く穴に 引き寄せられて じたばたと溺れそうになる 引力に逆らえず 夜の闇に さらわれてしまう、 私 が。

小さな官能

寂れた温泉宿の脱衣所で 小さな女の子が 無邪気に扇風機に向かって 躯を開いている。 雫は払われて飛び散り、 私は無言で髪を乾かす。 その まだ熟れぬ桃のような すべすべ生えた毛並みのような 内側からじゅくじゅくと産み出される 甘みのような 小さな官能…

北にある街で

厚く積もった雪は 泥を含んで融けかかり 日なたでは植物たちが 太陽へ手足を伸ばしている この街では 春の訪れも 少々、遅いのだ 雪の中から顔を出した ふきのとうを 味噌と和えたものを買った 馬は 蔵の街で馬車を牽きながら 白い息と気配を立てて ゆっくり…

手首の脈を深く切ると ほのかに あおじろく ひかる 血が、 ヨーグルトのようにもつれて 決壊し、流れ出す 舐めなさい。 しゃぶりつきなさい。 くちびるが どんな夜空の闇よりも 蒼く 染まり 唾液と混ざって ぬるぬると垂れて ギラギラと輝く くちびる! 美味…

くちびる

あなたが わたしの赤いくちびるを うばった その一瞬は 短すぎる一瞬だけれど 写真にかなわないぐらい鮮やかで どんな食べ物よりも甘かった

祈っている

ダライ・ラマも祈っている。 ローマ法王も祈っている。 世界じゅう、大勢が祈っている。 神様はひとつなのですか すべての神々を包括できないのですか 牧師は、それは認められない、と言った。 わからない わからないことが多すぎる 私はいつまでも 正式なク…

祈り

祈ることは 無力に見えるけれども 私には、それしかできない。 何もしないに等しいのかもしれないのだけれど 祈る ことで 自分自身を安心させている。 欺瞞 偽善 けれども、 祈ろう。 死ぬ間際まで祈り続けた あの人のように さあ、 祈ろう。 目を覚まして。…

わたし

わたし は そんなにきれいなにんげんじゃ ないんだ ほんとだよ。

ぐらぐら

いきかたが、 ぐらぐら している。 とほうもなく あせっている。

真実

組織に染まる生き方などするなら 死んだほうがましだ 「皆の幸せ」を声高に叫んで 平気で自らの家庭をおざなりにする 私は 幸せな子供だったが やはり どこか不幸せだった。 しかし 独りでいる限り できることは 祈ることしかない現実は 私に決断を迫る 何か…

社会

社会主義、共産主義が絶対悪ではないのだ その国家の生産性や 権力を持った者のふるまい 今、発展した国家にこそ マルクス的概念が必要とされる しかし、社会主義を唱える国 既にその理念から大きく外れている 古くからの文化、民族を弾圧して 何がうまくい…

いのる

むずかしいことばかり わからないことだらけ わたしにできるのは ただ、いのること

赦しのある夢

水たまりのたくさんできた公園を 全速力で 跳ね飛ばしながら 走っていた あなたがここで学んだことは けっして無駄にはならない 遠くで 誰かの声が聞こえた 私は 無我夢中で ただ走っていた

ひかり

あなたが 生き返る この世の ひかり です よみがえる あなたが 祝いましょう! 春風とともに! 花びらとともに! 私は ひかり という ことばが 何よりも 好きです

はなし

たのしいはなしができると うれしい。 はるがきたなあ、 とおもう。 そういえば、 はなもたくさん さいていたな。 しろいベールのように ひろがっていたな。

金曜日

この日を この夜を どう過ごせばよいのでしょうか 表層では いつもと何も変わらない 自堕落な生活が続けられている あの日 あなたの裾をつかんだ! と、思った瞬間があった 涙が出てきて止まらなかった 新しい春が来ます 今度こそはほんとうに、私にも春が来…

ねむってしまいたい

ねむってしまいたい どうにも具合が悪く 病院へも行けず 湯たんぽを抱えて 横になっているのみ 母鳥のように? 石のように。 この役立たずめ 雨さえ降っていなければ 内臓さえうまく動いていてくれれば この時間 私は、人でなく、モノである。 モノならばモ…

痛み

あなたの痛みは あなたを愛する人たち全員の痛みであり 私の痛みでもあります 鞭 血 釘 傷 冠 あなたの痛みが 愛に変わることを知っているから だから、耐えられる けれども、待ち切れないのです! あなたが光り輝き、復活するその日が! 春が、やっと春が、…

静かな夜のなかで

静かな夜のなかで 遠くにいる君を想う 安定してくれない君の心を想う 君の鼓動を想う 君の呼吸を想う 君の無意識の暗い部分を想う どうかおそばに 安らかで穏やかな眠りを 明日また新しい素晴らしい朝を 静かな夜のなかで ただ静かに祈る

夢と記憶

夢の中で 時間軸は交差して 混ざり合って 溶け合って 何も、わからなくなる。 子どもだった私 つい数年前の私 景色 音 ひかり 夢はいつもぼんやりとしていて しばしば、嘘をつく。 そして記憶は書き換えられていく。 どんどん上書き更新されていく。 記憶な…

ちゃぽん。

カモミールと ゼラニウムで 髪の毛を洗ったら ラベンダーのバスタブに ちゃぽん。と 浸かる しあわせは いつも ちいさな子宮からうまれる ちゃぽん。と 浸かる その、気持ち良さ ため息は、湯気と混ざって上昇し、消えた。

怠惰な時間

怠惰な時間を どう やり過ごそうか 一年が経った今でも よく わからない。 避けたいのは 恐ろしい記憶という名の幻想を 頭の中で再現することだけ 時間が余っている 時間がとてもゆっくりと流れている 身体は、相変わらず動かない。 焦らないことだ 自己否定…

あこがれ

春の風が あこがれを運んできて カーテンのレースの隙間から 私の心に、 刺していく。 細い、ひかりの、銀の針 針だらけになった心臓は もはや 鼓動さえ困難で 破裂を待つゴム風船のようだ 飛び散る、赤い、鮮血を、想う 生の血 とれたての血 獣たちの舌なめ…

夢の中で

ニヤニヤと笑いながら 銃を向けられる いつ撃つかわからないよ お前の命は俺達が握っているんだ 嘲笑 げびた何か どんなに恐ろしいことか! 弱いものであることが 命を、握られてしまうことが。 あなたは 唾を吐きかけられて 見世物になって あの丘を登った…

えかきへ

きみは いかにも とてもかんたんなように おと を え にする。 いちまいの え から あふれだす たくさんの おと おと! きみのえがく おと を できることならば ずっと みていたかった。