さまよい

前を見て歩いているのだ
ゆっくり歩けているのだ
と、
思っていたのに
どうしてなのか
さまよい歩いていました。


森の中は暗くて光の一筋も見えずどうどうめぐりを繰り返す。木々のざわめき、鳥たちの歌声、獣のひそやかなたくらみ。


生と死のあいだを
未だ
さまよってしまう
動けなくても
ベランダまで這えば死ねる


神様どうか守ってください
私を必要としてくれる人がいるのです
生きさせてください
この世をまっすぐに歩かせてください