不安

土が、
かたまらない。
ぐにょぐにょとした土は
己の存在を訴えたいというしずかな闘志をもやして
ごうごうと輝く炎に入ってゆくのだ



土よ
土だったものよ
ぽろりと手を離したとき
悲鳴をあげて
土は
ただの破片になりました。


それでも
土は土である。
己の根底に響くマグマの振動を、己に内包されてきたまた内包されてゆく何ものも包みこむのだあたたかく包みこむのだやわらかく。