小さな寝台

この 小さな寝台で
私たちが しずかに腕を絡めるとき、
かすれた色の山々に黄砂を含んだあつい風が吹く。


私たちが しずかに手を繋ぐとき、
指の鼓動は水滴に変わり関節という関節からみどりが芽吹き出す。


この 小さな寝台で
私たちが まるく背を向け合って眠るとき
どこかで
たわむれに投げられた小石が川底に沈んでいく。
音も立てずに。


しずかに。しずかに。