pillowtalk

僕の横に寝転がったまま、聞いていて欲しいんだ。僕の呟きを。


僕と君の間に生まれちゃってた溝は、
けっして君のせいじゃなかった。
多分僕のせいでもなかった。


目を閉じたまま、聞いていて欲しいんだ。僕の囁きを。


一緒に浅い眠りに落ちよう。
やさしく抱き合って。
夢の底から浮上して、うつつで目をしずかに開ける。
一流の手品師みたいな手つきで、僕と君が一緒に遭遇した悪い出来事は、すべてすっかり消える。すべてが真っ白になるんだ、わかるね?


こんな儀式みたいなことをしなくても
とうに僕も君も真っ白なんだ。
それは君もわかってるはずなんだ。
僕だってわかってるんだ、おそらく。


けれど、一緒に目を閉じよう。
そして、また一緒に目を開けよう。
それから、中断されてた、僕らの共同作業を、僕らがほんとうにやりたかったことをしよう。いっぱいしよう。わがままを言おう。何でもできる。何だってやれる。春を迎えた森の動物たちみたいに、野原を跳びはねようよ。


さあ、準備はいいかい。
目を閉じて。
やさしく、閉じて。