「おんぶらまいふ」のように

小池昌代「おんぶらまいふ」のように
あの美しい詩のように
いつか
しあわせを
懐かしく切ない瞳で眺めかえす日が来るのだろうか
過去に置いてきた小箱を。


つい、この前までは、眺めかえすのが好きだった。味わいながら咀嚼しながら、何度も口に出して読み返していた。


いまは
間違いなくそう進んでいくであろう時系列を
考えようと試みることすら恐ろしくて


現在進行形である。
という
まだ小箱は埋めてなどいない。
という
頼りない軸を頼りに


降り立ってきた鳥のはばたきをしずかに、あたたかく見守っていたい。