それでいいの?

「それでいいの?」という無責任に放り投げられた尋問にわたしは、
空中に薄く残ったままの放物線の弧をじっと眺めては、俯いて黙るしかなかった。


人生において選択なんていうものは、すべて自分で決めてきたような気がしていたけれども、それはまぼろしではないのか。なにものかに導かれて今ここに横たわっているのだとしたら。


『ひとをえらぶ』
そのおそろしさよ。傲慢さよ。


わたしは、あなたに透明な嘘さえもつけなくなってしまっただけなのです。ただ、それだけなのです。