隣にいられない
週末の夜更けにも
携帯電話の向こうの
あたたかい声。


遠くの寒い町
私の知らない町に
男は立っている
冷たく、しかしおだやかな風が吹いている


一緒に歩いてゆける
一緒に生きてゆける
さまざまな困難を乗り越えてゆける


わたしのかたいかたいこころはあたためられたチョコレートのようにほろほろととけだしてあとかたもなくなるほろにがさ


ずっと
探し続けていたのは
この安心だった
のかも、しれない。