自分探しについて

捜している自分とは
所詮 幻想でしかなく
虹の根元に 宝箱が埋まっているはずもない


重ねられた
幾層にも連なる
経験の 記憶
記憶も 所詮 幻想ではあるがしかし、
この 自らの中の地層を
誰にも渡すまい。


立っている。
私は
ここに
しずかに
二本の足で
たたずんでいる。


木のように。
まるで、木のように。