細い木であるわたしたちが

男の流した
とうめいななみだを
やさしくぬぐうことしか
わたしにはできずにいて


 かみさま
 あなたにむかってわたしたちは
 できるかぎり正直であるように
 手をかたくむすんで
 まぶしく目をこらしています


細い木々だったわたしたちが
やせ細った枝と枝をしなやかに絡ませて
寄り添って伸びていくことができますように。


 いつも 太陽のほうを しっかりと見つめて


わたしはもう
ひとりではない
ひとりでがんばることも
もうおしまいにしてしまってよい


これからの長い道のりで
わたしたちは大樹になる
枝々はいつも
ぶどうの木に繋がっている