しろいひかり

今朝も私は
しろいひかりを掴もうとする
カーテンの隙間からさしこむ
淡くてもろいひかり

「目のくらむような永い年月」が
若い私には想像もできないので
ただ すこしだけ かなしくなるしかない
すこしだけ。


しろいひかりが
片手の中にあるうちに
ガラスの鳴き声や
少し不規則な寝息を
音楽のように
音楽のように
ただ聞き流している


てのひらの上から
はばたいていってしまった
しろい ひかり よ